くれよん在宅クリニック
Category:建築事例
Category: Clinick
Architect: Tomohiko.Kuroda
Date: December,2019
Location: Toyama
施設は国道41号沿い富山ICすぐ側に位置し、緊急時に迅速な対応が可能で、更に利用者が認識しやすいロケーションとなっている。
院長の桶口先生は医療現場の最前線に携わり「自分らしい生き方」のなか生涯を終える事の大切さとその難しさ、介護家族の抱える苦悩、在宅に関わるフォーマルサービスの限界など様々問題に対して、新しい在宅医療サービスを地域へ提供したいという思いから「くれよん在宅クリニック」の計画がなされた。
「そのひと色の人生 納得できる生き方・終い方をすべての人に」という理念のもと、利用者だけではなく携わる全てのスタッフに対しても、人の温もりを大切に、カラフルなくれよんのように多様性を尊重しながら各自、自分らしい生き方が実現できる、その手助けが多少なりともできる設計を心掛けた。
スタッフの方々の素案を元に機能的動線や空間の見え方を提案し、プランが完成した。
すべての壁をアール状のパーティションとし天井までの壁にはせず、日本家屋の「ふすま」のように目線を切りながら内部全体を各スタッフが状況把握できるようにすると共に、設備面においても空調・音響・照明を共有し、ひとつの大きな空間の中で各室の機能を計画した。
オフィスをエントランス、診察室、薬品備品庫とのコア部分に配置し、更にミーティング会場として使用される頻度も高いため為、空間にフレキシビリティ性を持たせた。
外観正面は透明なガラスを多く使用することにより、利用者の不安を軽減させながらも、内部パーティションにて作業が見えにくいなどの配慮も行い、外から見える木目の軒天上を内部天井にも繋げて施設の一体感を図り、外部の木目が内部空間へ広がっていくといった特徴的かつ優しいイメージの施設となっている。